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 トレーディングスクール理念

■トレーディング・スクールは必要か?  

 スランプに陥ったスポーツ選手が、自分の「良い時のビデオ」を見て、調子を取り戻したというような話を聞いたことがあると思います。一種のイメージ・トレーニングで、理想のフォームを回復するのに役立つのでしょう。しかし、そこで必然的に湧いてくる疑問に気付かれた人がいるでしょうか?

 あるバッターが、自分の「良い時のビデオ」を見て、再びがんがん打ち始めたとします。すると相手のピッチャーは打ち込まれて、調子を崩すことになるでしょう。その時、相手のピッチャーはどうするでしょうか? 彼もまた自分の「良い時のビデオ」を見て、理想のフォームを取り戻そうとするのでしょうか? そうすれば、絶好調のバッターとピッチャーとが対峙することになります。その勝負はおそらく非常に興味深いものとはなりますが、どちらが勝つかは蓋を開けてみないと分かりません。

 このとき、調子を回復したバッターに打たれたピッチャーが、自分の「良い時のビデオ」を見るだけではなく、相手の「良い時のビデオ」も見ればどうでしょう? 相手の「良い時のビデオ」は、すなわち自分が「負けた時のビデオ」です。ピッチャーが自分の勝った要因だけでなく、負けた要因をも分析し、同時に絶好調時のバッターに攻略できるスキを見つけたならば、勝負の確率を大きく自分の方へ引き寄せることができないでしょうか。むしろ自分の好調時のフォームが絶対だと信じているバッターは、スランプに喘いでいるバッターより単純で、討ち取りやすい相手かも知れません。なにしろ同じパターンしか繰り返してこないのですから。もちろん、好調時のフォームはほとんどの相手に通用するでしょう。そんな時に、相手の欠点を分析したピッチャーだけが、彼を攻略できるのです。

 個人投資家でも、自分ひとりで実力をつけることは可能です。相場関係の本やチャートを片手にひとりで行うイメージ・トレーニング、あるいは、イメージ・トレーディングは効果があります。このパターンのときはああする、このパターンのときはこうすると、切磋琢磨して自分の力を高めることが勝負の基本です。実際に資金を運用すれば、なおさら自分自身の力はついてきます。しかし、ブルペン・エースや稽古場横綱という言葉が表していますように、いかに自分の力が卓越していても、相手のある勝負にはもうひとつ勝てないようなこともあるのです。原因は自分の力を過信するあまりに単調になっていること。そして、相手が自分(のような連中)のことを研究しつくしているためでしょう。

 機関投資家や金融機関に勤めるディーラーやファンドマネージャーがより恵まれていると言えるのは、マスとしての投信、保険会社、銀行、証券、個人投資家などの行動パターンを分析しているだけでなく、競争相手や仲間を分析することにより、自分の欠点にも気付かされる点なのです。また、新しい手法などの刺激に触れる機会も多くあります。

 相場でもっとも大切なことはリスク管理です。私たちのトレーディング・スクールでは、自分自身の力をつけていただくために、相場での力関係の成り立ちと、リスク管理とを徹底的に理解していただきます。また、チャートのパターンによる動き方にも多くの時間をさきます。そして、講師たちを交えたディスカッションを通じて、相場の参加者の行動パターンの分析を行い、相手を知ったうえで、自分の欠点もチェックしていただきます。


 
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